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おもしろくてお役にたつタクシー専門情報紙

T君の道草

毎月10日・25日発行

タクシー日本新聞社

編集長の道草

生涯フライト記録



 筆者は、JALのマイレージ会員です。
2001年10月5日に、伊丹―札幌間を初フライト。
マイルが667マイルでスタートしております。

JALのホームページでは、
マイレージ会員の生涯フライト記録が掲示されています。
筆者の生涯マイル数は初フライト以降、
70226マイルになり、生涯搭乗回数が223回。
そして生涯マイル数は、地球約2.8周、月まで約0.1周、
総搭乗時間は187.3時間となっています。

2001年10月からですから、11年数か月ということに。
その間の搭乗回数は、年によって大いにムラがありました。
11年の年間登場回数を計算してみましたが、次の通りです。

01年 11回
02年 19回
03年 24回
04年 50回
05年 61回
06年 41回
07年 21回
08年 16回
09年  7回
10年  5回
11年  7回
12年  6回

最も多いのが05年の61回、ついで04年の50回、
次が06年の41回などとなっております。

04年はちょうど本紙「タクシージャパン」を2月に創刊しており、
活動が活発だったことがわかります。
そしてこの傾向は05年、06年へと続きました。

ここ数年の搭乗回数が極端に少ないのは、
東京―大阪間で飛行機を使わなくなったことと、
遠距離の地方出張が減ったことが原因と考えられます。

筆者の自宅は大阪府吹田市内で、事務所は東京にあるので、
東京で単身赴任しています。
以前は帰阪に飛行機を使っていたのですが、
最近は使わなくなったためです。

同時に帰阪回数も04年や05年当時から比べると、
かなり少なくなっておりました。
それは何も夫婦仲が悪くなったわけではなく、
単に無精になったためであります。念のため。

ということで筆者としましても、
老け込む年齢ではない(59歳で6月には還暦ですが・・・)ので、
遠距離を恐れず、ニュースとおぼしき先へ、
積極的に出かけていかなければと、自省の念に駆られております。

何気なくJALホームページのマイページをみていましたが、
様々な思いが駆け巡ってきた次第であります。
 
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ロイヤルリムジン増車却下取り消し訴訟・原告の準備書面




ロイヤルリムジン(金子健作社長、東京都江東区、50台)による
タクシー30台の増車却下は違法として、
国を相手取って増車却下処分の取り消しと増車認可、
そして国に増車認可の義務付けを求めた裁判の第4回口頭弁論が1月17日、
東京地裁民事第二部第703号法廷で行われた。

前回は昨年12月6日提出の国側準備書面の全文を掲載したが、
今回は原告(ロイヤルリムジン)が1月17日に提出した
準備書面の全文を公開する。
(意見書についてはタクシージャパン204号の紙面にて掲載)

次回の第5回口頭弁論は3月7日。

※※※※※※※※※※以下、原告の準備書面※※※※※※※※※※
(ブログの設定上、文字が左寄せ配置になっております)

平成24年(行ウ)第327号  事業計画変更認可申請却下処分取消等請求
事件

原告 ロイヤルリムジン株式会社
被告 国

原告準備書面2

平成25年1月17日
東京地方裁判所民事第2部A係 御中

原告訴訟代理人  弁護士  横手 聡
              同  越智 敏裕

本準備書面では、被告準備書面(2)に対し、井手秀樹教授、古城誠教授の意見書(甲37、甲40)をも踏まえつつ、反論する。
なお、以下で引用する頁数は、特に断りの無い限り、被告準備書面(2)の頁数である。

第1、意見書について
1.古城意見書
わが国における経済規制の第一人者といえる行政法学者の古城誠教授も、
道路運送法及び特措法につき、原告と同様の法律解釈を支持し、本件処分が違法であるとされている(甲40)。

詳細は、甲40記載の通りであるが、古城意見書によれば、平成12年改正により需給調整を廃止し免許制を許可制に変えた現行道路運送法は、同法改正の沿革及び条文の文言・構造に照らせば、供給が需要を上回ることを理由に許可を拒絶することを明確に禁止する趣旨であり、需給調整の必要を許可において考慮することは許されない。

また、平成21年に制定された特措法は、供給過剰に対処するため、道路運送法を一定限度で修正したが、増車認可において準用される道運法6条の許可基準を修正する規定は定められていない。6条は、許可において需給調整を行うことを明確に禁止した規定であるところ、この規定のもとで需給調整を行うためには、規定を明文によって修正することが必要であるが、特措法にはそのための明文規定はないし、特措法6条も修正の根拠とはなり得ないし、特措法制定の背景にある交通政策審議会の答申や、国会の附帯決議を理由に、法律の定めと反するような措置基準を正当化することはできない。

なお、収支計画要件は需給調整規制にほかならず、明文規定のない限り、特措法の趣旨・目的に照らして規制することは許されない。東京高裁平成24年7月11日判決は、付随的に需給調整効果のある規制を許容しているが、念頭に置いているのは、事後的な安全規制であって、事前的な参入規制ではなく、国側の主張を正当化するものではない。

2.井出意見書
(1)井手秀樹教授の意見
衆議院国土交通委員会に参考人として出席するなどタクシー業界に詳しい井手秀樹教授(慶底義塾大学商学部)も、特措法が、需給調整規制を予定していないことを指摘している。
同教授によれば、タクシー事業における需給調整規制は規制のあり方として合理的でなく、参入・増車規制によって安全性の確保、タクシー運転者の待遇等の問題を解決するという考え方に疑問がある。すなわち、タクシー事業の諸問題を解決するために増車を規制することは、経済学的な合理性が全くない。要点は次のとおりである。

(2)論点1(甲37・8頁以下)
政府でさえタクシー事業の正確な需給予測を行うことは難しいのであるから、タクシー業界では需給調整は有効に機能しない。需給調整が経済政策として不適切であるからこそ、タクシー事業は規制緩和されたのであり、特措法の下で需給調整(台数規制)が認められると解すべき根拠はない。

(3)論点2(甲37・10頁以下)
台数規制が安全性に寄与しているとは言い難い。例えばタクシーの人身事故をみると、不況期の平成9~11年までは年間5000件前後だったのが、平成12年に7226件と大きく増えたが、同14年の規制緩和後はむしろ6330件をピークに同19年まで減少傾向にある。規制緩和による増車が人身事故の原因とは言えない(甲37・10~11頁)。
結局、安全性の確保のために、台数規制を行う政策には経済学的な合理性がない。

(4)論点3(甲37・13頁以下)
台数規制は運転者の待遇改善に貢献していない。タクシー運転者の低賃金化は、規制緩和前の平成9~12年までの3年間に大きく進み、1人当たりの年間所得が524万円から443万円と81万円も下がっている。一方、平成14年の規制緩和後3年間の所得減少は50万円にとどまっており、低賃金化の進展が、規制緩和の影響だとは言えない。また、タクシー運転者という職業は、例えば高齢で職を失った人のためのセーフティネットとして機能している面があり、台数規制が存在しない方が、雇用の受け皿としての役割を果たすともいえる。
結局、タクシー運転者の待遇改善の見地から台数規制を行う政策には合理性がない。

(5)論点4(甲37・1「5頁以下)
タクシー業界において一定のサービスの質を確保するためには、弾力的な運賃設定と新しいサービスの導入が可能な市場であることが必要である。(原告が行っている)外国人旅行者等をターゲットにするような新規需要の開拓が着実に進展していくことが望ましい。台数規制ではなく競争によってサービスを向上させるのが原則である。
タクシーの台数を減らせばサービスが向上するという考え方にも合理性はない。

(6)まとめ
タクシー事業では需給予測が困難であり、台数規制は、安全性の確保・運転者の待遇改善・サービスの向上のいずれとも合理的な関連性がなく、経済学的な見地からみて無意味である。タクシー業界が抱える諸問題の解決は、台数規制によるべきではない。現在、タクシー業界では、新規参入と増車が認められず、台数規制がされていることから、車両枠が有償で取引されるという異常な事態が発生しており、自由な競争が阻害されている。事業遂行能力に問題のない良質なタクシー事業者の増車が認められてこそ、既得権益だけが保護されるという経済的な歪みが是正され、市場が機能し始めるのであり、原告の増車が認められることは、経済学的に見れば望ましい(甲37・19~20頁)。

台数を一律に削減するような規制は、合理的な根拠を欠く規制であり、特措法が予定しているものではない。企業のサービス基準、コンプライアンスの状況といった質的な観点から、増車を認めるべきか否か判断すべきであり、「輸送の安全を確保するもの」、「適切な計画」、「的確に遂行するに足る能力」という道運法6条の要件を満たしていれば、増車は認可されるべきである。

被告は、新規輸送需要の有無に着目する収支計画要件が合理的であると主張するが、同要件は需給調整に他ならず、経済学的にみて合理性がない。また、措置基準が、当該営業区域における地域としての需要増が無い限り同区域内の増車を認めないのであれば、同基準には経済学的な合理性がない。

第2、被告準備書面(2)に対する反論

1.特別区武三交通圏におけるタクシー需給について
今回提出された乙25ないし27によると、次の点を指摘できる。
まず、特別区・武三交通圏における実働一日一車当たりの運送収入(これがドライバーの収入に直結する最重要の数字である)は、常に4万円を超えており、平成23年度には43,369円となっている(乙25)。
これに対し、名古屋交通圏では、平成18、19年に3万円を超えたことがあるものの規制緩和前後を通じ、2万円代後半を推移している。また、大阪市域交通圏では、規制緩和前後に3万円を超えていたが、同様に2万円台後半を推移してきた。

物価水準を考慮に入れたとしても、東京一極集中を背景に三大都市圏の中でも東京は、ずば抜けて高い運送収入を上げ続けており、今後もこの傾向に変化の兆しは見られない。

もし供給過剰であるならば、運送収入は下がるはずであるが、少なくとも特別区・武三交通圏では、他の大都市圏の1.数倍、地方圏(例えば平成23年度の宮崎県におけるタクシーの実働1日1車当たりの運送収入は15,201円、徳島県のそれは1 5,775円)の2.数倍、全国平均(27,022円)の1.52倍の運送収入がある(甲42)。

このことは、特別区・武三交通圏では、少なくとも他地域におけるほど、供給過剰ではないということを意味している。したがって、そもそも特定地域として指定すべき地域であるか否かに疑問があるだけでなく、措置基準による一律の増車禁止など必要のない地域である。本件で、原告の増車申請を認めても何ら問題が無いことは、他地域に比べて著しく高い運送収入を見れば一目瞭然である。

2.需給調整規制と収支計画要件について
(1)収支計画要件の意義について
被告は、求釈明事項2に対する回答として、申請者及び当該特定地域のいずれにとっても新たに輸送需要が発生することが必要であるとし(10~11頁)、しかも新規需要の発生が「一義的に明らか」でなければならないとする(9頁)。

すなわち、措置基準の収支計画要件は、増車認可を求める申請者に対し、申話者及び当該特定地域にとって一義的に明白な「新規需要の発生」を認可要件として要求するものである。
収支計画要件は、その字義と異なり、単に事業計画の適切性を判断するための収支相償要件ではない。

(2)需給調整規制としての収支計画要件について
被告は、収支計画要件が、従来の需給調整規制と異なるとする(6頁)。
しかし、収支計画要件は、次に述べるとおり、従来の需給調整規制とは異なるにせよ、やはり需給調整規制であることに変わりはない。

ア.新規需要の要求
措置基準の収支計画要件は、放漫であるなど収支が成り立たないような計画を排除するという趣旨にとどまらず、新規需要の発生が一義的に明白でない限り、一切の増車を拒否する要件となっている。本要件は、需要増が一義的に明白で無い限り、一切の供給増を認めないのであるから、結局、「収支計画」という名を借りた需給調整要件に他ならない。

イ.厳格な要件による一律の増車禁止
この点被告は、従来の需給調整規制では、たとえ新規需要の発生が明らかでも、増車可能車両数を超える場合には増車が認められなかったとする(6頁)。
しかし、実際には収支計画要件のほうが申請者に対する要求が厳格で、強い需給調整効果を持っているとさえ言える。

すなわち、措置基準は、新規需要の発生につき一義的明白性を申請者に要求しており、一義的に明白な新規需要発生を立証しない限り、一律に一切の増車を認めない。結局、収支計画要件は従来と異なり、需要について何らの計算仮定も置かないために、かえって申請者に対し不可能を要求するものといえ、実際上は一切の増車を禁止するに等しい要件である(被告も、例えば来日外国人を対象とするタクシー需要について、「我が国の社会、経済情勢や諸外国の関係などといった流動的要因や不確定的要素に影響されることが大きい」としているように(9頁)、タクシー需要の正確な予測は何人にも困難である)。

これに対し、供給輸送力に着目した従来の需給調整規制では、少なくとも計算上は増車が可能であり、申請年度も前年度の数値を基準として算定されるから、申請者も一義的に明白な新規需要など立証する必要が無く、増車が認められる余地があった。

現に、特別区・武三交通圏のタクシー台数の推移をみると、従来の需給調整規制下でも、例えば昭和53年には21,284台であったが、毎年漸増し、バブル直後の平成4年に26,148台と一旦ピークを迎えるまで車両数は増え続けた。平成7年の25,163台で底を打った後、再び増加に転じ、規制緩和直前の平成13年には28,262台まで増加していた(甲41)。

然るに、需給調整がないはずの措置基準の下では、乙25のとおり、平成21年の31,799台から毎年大幅に減少し、平成23年度には親制緩和前より少ない27,794台にまで減車が進み、一台も増車が認められていない。
以上の実際の数値を見れば明らかなように、措置基準の収支計画要件とは名ばかりで、実際には増車を一律に禁止する需給調整規制と言うほかはない。結局、従来の需給調整は、供給に着目した需給調整であるのに対し、措置基準の収支計画要件は、需要に着目した需給調整であるというに過ぎず、着目点が違うだけで、需給調整であることには変わりない。

(3)東京高判平成24年7月11日(乙23)について

ア.被告の主張
被告は、東京高判(乙23)を引用して、収支計画要件により増車申請が却下され、従来の需給調整規制と同様の効果を招来することとなったとしても、「法の改正及び特措法制定の経緯や法及び特措法の趣旨、目的に照らせば、法及び特措法が需給調整の効果のある規制を行うことを一切許容していないとは解されない」と主張する。

イ.東京高判における適用法令
しかしまず、上記東京高判は、特措法施行前に存在した特別監視地域内における違反行為に対する加重処分の違法が争われた事案であって、前提とする適用法令が異なっている。

確かに、同判決は、「需給調整の効果のある規制を行うことを一切許容しない趣旨で上記改正が行われたと解するべき理由はない」とするが(乙23の15頁)、これは平成12年改正道運法についての傍論の判示であり、特措法の下での需給調整規制の可否については何も判断されていない。

思うに、特別監視地域や増車事業者に対する加重処分という行政上の措置が特措法に先行して存在し、広く運用されていたにもかかわらず、供給過剰問題が指摘される中でも、これを法定化することなく、結局、供給過剰問題につき協議会方式による自主的な調整に委ねた特措法が施行された以上、特措法は(緊急調整地域を除き)需給調整効果のある規制を許容しない選択をしたと理解すべきである。

ウ.加重処分と増車認可拒否との違い
いずれにせよ上記東京高判は、増車事業者の違反行為に対する加重処分が、結果として「需給調整の効果のある規制」となったとしても許容されるとしたものであって、需給調整規制そのものを容認したものでは全くない。

増車事業者は加重処分を受けるリスクがあるにせよ、増車自体は認められている。増車事業者に対する加重処分も、違反行為を媒介として需給調整効果を持ちうるが、それはあくまで間接的で、さらに言えば偶発的なものに過ぎない(違反がなければ、さらには違反が発見されなければ、増車規制効果を持たない)。上記東京高判も、増車事業者に対する加重処分について「その目的は増車を直接的に規制しようとするものではなく、増車自体は許容しつつ、著しい供給過剰になるおそれのある地域を対象に、供給過剰による労務管理や安全管理、利用者へのサービスの質の低下といった弊害に対する規制の遵守を徹底させることを目的とする運用として規制違反に対する行政処分を加重することとしたものである」としている(乙23の14頁、強調は引用者)。また、同判決の15頁も「増車自体を直接的に規制するものではないことを考慮すれば」として、加重処分が直ちに増車規制ではないことを重ねて強調している。

そもそも違反行為に対する不利益処分の場面と異なり、増車認可申請の場合には、法令遵守は当然に認可要件として審理されている。上記判決に言う「労務管理や安全管理、利用者へのサービスの質の低下といった弊害に対する規制の遵守」の有無については、(D収支計画要件ではなく、措置基準Ⅲ3(1)の掲げる他の条件、②運転者の確保状況、③実働率、④法令遵守状況、特に④の要件を満たさないとして申請を却下すれば足りる。
本件措置基準の収支計画要件は、上記の通り、まさに増車自体を許容しないものである。同要件の「目的は増車を直接的に規制」しようとするものであって、「需給調整の効果のある規制」ではなく、需給調整規制そのものである。

エ.増車事業者に対する監査が持つ需給調整効果について
なお、原告は、大阪地方裁判所平成24年2月3日判決(甲5)の考え方を支持しており、上記東京高判は改められるべきものと考えている(訴状9頁)。

需給調整効果を持つ規制として、東京高判の考え方に照らし特措法の下で許容される事後規制があるとすれば、それはせいぜい増車事業者に対する監査強化であろう。すなわち、タクシー業界では法令不遵守のために不利益処分を受ける事業者も多く(甲44によると、例えば平成22年度実績で、巡回監査を実施した109件のうち83件に対し車両の使用停止処分がされている。)、増車事業者に対する監査を強化する方針を表明し、実行すれば、法令遵守をしていない事業者は増車申請をしなくなり、実際上、監査強化が需給調整効果を持ちうる。この場合、監査強化は需給調整を目的としたものではないともいえ、重点的な監査の実施により安全確保等の目的を果たすことができるが、結果として需給調整効果が生じるに過ぎないからである。もっとも、増車事業者は頻繁な監査と加重処分と言う不利益を受けうることを覚悟で増車しているから、実際には少数であり、また、法令遵守に問題のない事業者が多いため、法令不遵守業者による増車抑制効果はあっても、監査それ自体の実効性は乏しいと考えられる(特定地域における監査強化には合理性はあるが、増車事業者に対する監査それ自体に合理性は認め難い)。

オ.まとめ
結局、上記東京高判は、特措法について判断したものではなく特措法施行後にはあてはまらないこと(「イ」)、不利益処分とは異なり増車認可申請の拒否は直接的な需給調整効果を持つこと(「ウ」)、道運法・特措法の安全確保等の目的は措置基準の他の要件により確保しうること(「ウ」)から、同判決に照らしても、措置基準の収支計画要件は正当化しえない。

なお、本件は、上記東京高判の事案とは大きく異なり、万全の法令遵守を行ってきた優良事業者による増車申請である点も十分に考慮されるべきである。

3、いわゆる「タクシー新法」制定ないし特措法改正の動きについて

悪しき業界慣行によりタクシー乗務員から搾取し続けて来た既存の大規模タクシー事業者は、既得権益を維持し、中小ベンチャーを排除するために、政治力を行使して、タクシー業界における免許制の復活に向けたロビー活動を精力的に行ってきた。その結果、民主党議員の議員立法として、需給調整を行う免許制を復活させるいわゆるタクシー新法(一般乗用旅客自動車運送事業法)案が作成され(甲43の1)、さらに自民党も独占禁止法の適用除外とし、正面から新規参入・増車を禁止する特措法の改正法案を検討している(甲43の2)。

これは我が国のタクシー業界にとって不幸な立法政策というほかないが、いずれにせよ、衆参ねじれの下で新法が制定され、あるいは自公政権の下で特措法が改正されれば、新法ないし改正法を前提として増車の可否が判断されることになり、原告の増車が不可能になることは確実である(申請者の地位が保護される経過措置が設けられる可能性は、まずないと考えられる)。政権交代後の政局に照らせば、近くタクシー業界で増車規制を含む再規制が導入される見込みが極めて高くなっている。

もしこのまま司法救済が得られず、新法ないし改正法が制定、施行されれば、申請者たる原告はもはや増車後の80台体制でタクシー事業を営む地位を法的に取得することは不可能となる。規模の経済からしても、50台と80台では経営効率が大幅に異なるが、改めて法改正がされるまで、原告は増車する機会を失うことになり、これは金銭賠償で償える性質の損害ではなく、早急な救済が必要である。

4、安全性について
(1)乙第24号証について
被告が提出した「自動車運送事業に係る交通事故要因分析検討会報告書(平成23年度)」(乙24)によれば、規制緩和(平成14年の改正道路運送法の施行)により交通事故が増加し、安全性が失われたという事実がないことは明らかである。よって、安全性確保の観点からの増車規制には、合理性がない。

たとえば、「事業用自動車の業態別交通事故死者数の推移」(乙24・9頁)を見ると、規制緩和がされた平成14年以降、タクシーの台数が増加したにもかかわらず、タクシーの交通事故死者数は減少傾向にあった。他方、平成21年10月に特措法が施行された後、同22年の死者数は、前年よりも増加した。

また、「走行距離1億キロあたり事業用自動車の業態別交通事故死者数の推移」(乙24・11頁)をみても、規制緩和後、走行距離1億キロあたりタクシーの交通事故死者数は減少傾向にあったのが、特措法施行後の平成22年に増加したことがわかる。「走行距離1億キロあたり事業用自動車の業態別交通死亡事故件数の推移」も、同様の傾向である(乙24・15頁)。

さらに、飲酒運転による交通事故件数は減少している(乙24・16頁)が、これは、酒気帯び運転・酒酔い運転に対する制裁が年々強化されてきたことの効果であると考えられる。このように、例えば飲酒運転等の規制を厳しくすることによって、重大な交通事故数は減少するのであり、タクシー台数の規制によって、交通事故の数が減るのではない。

極論すれば、タクシー台数をゼロにすれば、タクシー事故はゼロになるから、タクシー号数の減少と交通事故の減少は無関係ではない。しかし、台数規制による事故対策は、自動車事故を減らすために自動車を廃止する、鉄道事故を減らすために鉄道を廃止するという暴論に等しい。交通事故は交差点の見通しから、運転マナーに至るまで様々な要因で起こるのであり、それに適切に対処することが必要であり、有効なのである。

以上のように、乙24のデータに照らしても、輸送の安全性確保と増車規制との間に、有意な関連性がないことは明らかである。

(2)甲第44号証について
独立行政法人自動車事故対策機構 東京主管支所が発行した「運行管理者等講習資料 平成23年度」(甲44)によれば、平成22年度に巡回監査を受けた「ハイタク」(ハイヤー及びタクシーを意味する。)の事業者109のうち、83の事業者が、車両の使用停止処分を受けたことがわかる。

すなわち、8割近い事業者が、行政による監査を受けると違反点数を科される状態にあるのが現状である。そのため、多くの事業者は、減車に協力して、行政による監査を回避している(甲2・7頁の「Ⅳ」参照)。

一方、原告は、3年間で6回の監査(増車申請後に行われた監査を含む。)を受けたにもかかわらず、違反点数が0点であった(甲28)。平成23年8月18日、増車申請後に行われた監査も、指摘事項なしでクリアした(訴状12頁)。原告は、コンプライアンスを徹底した良質なべンチャー企業である。

原告の増車を禁止することが、輸送の安全性確保の面からみてプラスにならないことは明白であり、原告のような優良企業まで対象にした一律の増車規制が、特措法の趣旨に反する政策であることも、また明らかである。

5、特定地域指定の違法について
特措法は、日本全国で増車を認可制にするものではなく、要件を満たす一部の地域のみを特定地域として認可制に変更するものであって、事業の適正化と活性化が「特に必要であると認める」(特措法3条1項)地域でなければ、特定地域として指定できない。

しかるに上記(「第2」の1)で述べた通り、特別区・武三交通圏においては、実働一日一車当たりの運送収入が他地域に比べてずば抜けて高く、また、すでに規制緩和前の車両数以下となっているから、供給過剰の状態にあるとはいえず、「特に必要であると認める」地域であるとはいえない。

したがって、本件特定地域の指定(特別区・武三交通圏は平成24年10月1日に改めて指定を受けた)は違法である。


以上

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